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どうしてここまで巨額の赤字になったのだろうか。
経常赤字は国内各部門の赤字が重なった結果である。
アメリカの消費者は過去数年、所得のほぼ全額を支出にあてており、家計の貯蓄率は10パーセント前後になっている。
公共部門も赤字であり、2001年以降、連邦政府は合計約2兆ドルの赤字をだしている。
企業はかなりの現金を貯めこんでいる場合もあるが、投資マネジャーは過去数年に純額で1兆ドルを超える資金を海外に投資している。
ここまで巨額の赤字を埋める資金は誰が提供しているのだろうか。
答えはもちろん、外国人である。
2006年には、アメリカの経常赤字は世界全体の経常黒字の約70パーセントにあたっている。
これほど巨額の資金をアメリカに提供しているのは、主に民間投資家である。
もっともロシアや中国、湾岸諸国の「民間投資家」というのは、政府の資金を運用している機関であることが多い。
そして最近では、中央銀行をはじめとする公的機関が提供する資金の比率が高まっている。
これは大きな変化だ。
2000年と2001年には外国の公的機関は年にわずか350億ドルを提供するにすぎなかったが、2006年には4400百億ドルに膨れあがっている。
その大部分は政策的な理由で投資されているのであって、短期の米国債の利回りが飛びぬけて魅力的だからではないと考えておくべきだろう。
そして、政策は簡単に変更されうる。
経常収支は一年間の取引をまとめたものである。
経常収支を長期にわたって合計していくと、対外資産と対外負債の状況が分かる。
2006年末の段階で、アメリカの対外資産負債残高は、2兆5千億ドルの負債超過になっている。
とてつもない額だ。
負債の多くはそれほど心配する必要のないものだ。
1980年代に日本企業がRF・センターを購入したとき、アメリカ人は憤慨したが、日本企業はこのビルを日本に持ち帰ることはできない。
ホンダやTの工場が増えつづけていて、これも対外負債の側に入るが、これら企業が進出してきて、アメリカは豊かになっている。
懸念されるのは、米国債など、現金に近いドル資産を外国の中央銀行や外国政府の管理する機関が直接に保有している部分であり、この保有が一部の国に集中していることだ。
集中度は極端に高い。
中国が1兆2千億ドルを保有しており、その他のアジア諸国もほぼ変わらない額を保有している。
OPEC諸国がおそらく6千億ドルである。
ロシアが約4千億ドルであり、メキシコやブラジルなど、かつての債務国すら、いまではかなりのドル資産を保有している。
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